2011.07.04 UP
『東京公園』
『東京公園』@新宿バルト9
>「東京バンドワゴン」でブレイクした小路幸也の同名小説が原作。公園で家族写真を撮り続ける光司のもとへ、「彼女を尾行して写真を撮ってほしい」という依頼が舞い込んだことで、ゆるやかな距離でつながっていた女性たちとのあいまいな関係が微妙に変化していく……という物語。
青山真司監督、4年ぶりの新作です。
監督本人が今回のキャストについて「爽やかさを基準に選ばせていただきました」とコメントしている通り、主人公の三浦春馬、爽やかすぎます。
三浦春馬を劇場でしっかり観るのは初めてで、舐めていました。「どうせ、ただのテレビ俳優だろう」という偏見から入っているので、印象は最悪でした。この映画を見終わった後、やはり偏見は所詮、偏見であるという当たり前すぎる結論に。
三浦春馬は佇まいが良いですね。
物語は3人の女性に挟まれる男子大学生の揺れ動きをメインに、丹念にその過程を追っていきます。
・(死亡した)親友の元彼女
・血のつながっていない義理の姉
・母そっくりな人妻
この3人の中心に、主人公は佇んでいます。佇みながらカメラを観客に向けます。(つまり、映画のキャメラにカメラを向けます)
そのカメラが我々に向くとき、我々はそのカメラのアップを観ることになります。映画の撮影キャメラと、主人公のカメラ・・・その間にある空間に我々は放り出されたような、そんな「どこにもいないような」佇まいになります、自分が。その乱反射の背景には公園があります。公園が佇んでいます。
そんな公園を体感したくて、映画終わりで近所の公園に行きました。日曜日だったので、子どもがたくさん遊んでいました。
その子どもたちや家族を見て「これ全員エキストラだったら面白いな」と思ったんですが、エキストラであれ、現実の人間であれ、どっちでも同じだなぁ、と思いながら、自分の目から見える画角をじっと見つめていました。
東京の公園には色々な発見があります。