WonderNotes

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』＠渋谷シネパレス

 

ようやく観てきました。

 

 

 

ジョナサン・サフラン・フォアの原作小説は翻訳が出た直後に購入済みだったのですが、積読していました。それを読了してから、映画を観ると決めていたので、公開からこんなに時間が経ってしまいました。

 

小説は小説ですので、話は分けます。

この作品に限った話ではないんですが、「小説と比べて･･･」とか「原作では･･･」とか、どうでもいいと思います。どっちもフィクションなんだから、そんなこと言ってる人は死ねば？　とまでは思いませんが。

 

つまり、小説と映画は1ミクロンも関係がないんです。原則的には。（ちなみに、小説はものすごくぶっ飛んでいて、ありえないほど面白い）

 

さて、映画なんですが･･･。う、うーん。

 

物語は重厚で、穏和で、混沌として、内省的で、素晴らしいんですが、記憶に残るショットがほとんどないんです。むしろ、「このショット、こう撮れば絶対にキマるのに」という野暮なツッコミをしたくなる部分が多々あるんです。

 

1つだけ目を見張るショットがあります。主人公のオスカーがガスマスクをして地下鉄に乗っているショットは素晴らしいですね。この直前のカットが電車のホームではなく、地下鉄の階段を降りるカットなのが効いています。

 

と、まあ、これくらいなんです。

最初に「小説と映画は別物だ」と真っ当すぎることをあえて書きましたが、その理由はショットの問題です。良いショットがなければ、映画である必要なんてないんですから。

 

もちろん、映画のラストショットにも不満です。ネタバレになるので書けませんが･･･もったいない。

 

とはいえ。泣きました。泣きますよこれは。

でも小説が素晴らしくて･･･というわけで、小説をもう1回読み直すことにします。

2011年の海外小説ベストにも挙げられていますが、そのハードルをちゃんと越えてくるので、オススメです、小説が!!!!!!!!!!!!!!!

 

最近の22本

 

ここ1ヶ月に観たのは22本です。

 

最高得点は恵比寿映像祭で観た『ストレイト・アンド・ナロウ』です。

まあ、これは実験映画の部類に入るので、別枠といいますか、まあ、人を選びますし、2回しか上映されていません。まあ、観たい人は観る。そういう映画です。観たい人はもう観ているでしょうし。

 

次点が、『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』、『ヤング≒アダルト』と続きます。

もちろん、『おとなのけんか』も！　ポランスキーえぐいですね。『ゴーストライター』のあとに、こんなさらっとした密室コメディを撮るなんて！　しかも、このブルックリンのマンション、セットだそうですね。22本の中なら、迷わず『おとなのけんか』をプッシュします!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

【MOVIEｰ11】『ニーチェの馬』＠シアター・イメージフォーラム　000

 

 

【MOVIEｰ12】『ポエトリー アグネスの詩』＠銀座テアトルシネマ　614

 

 

【MOVIEｰ13】『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』＠ヒューマントラストシネマ渋谷　865

 

 

【MOVIEｰ14】『アラフォー女子のベイビー・プラン』＠DVD 438

 

【MOVIEｰ15】『小悪魔はなぜモテる?!』＠DVD 724

 

【MOVIEｰ16】『メランコリア』＠TOHOシネマズ渋谷　805

 

 

【MOVIEｰ17】『おとなのけんか』＠tohoシネマズ日比谷　810

 

 

【MOVIEｰ18】『ハードコア』（ウォルター・デ・マリア）＠恵比寿映像祭　765

 

【MOVIEｰ19】『ストレイト・アンド・ナロウ』（ビバリー・グラント＆トニー・コンラッド）＠恵比寿映像祭　976

 

【MOVIEｰ20】『サイド／ウォーク／シャトル』（アーニー・ゲア）＠恵比寿映像祭　798

 

【MOVIEｰ21】『知覚の政治学』（カーク・トーガス）＠恵比寿映像祭　802

 

【MOVIEｰ22】『ヤング≒アダルト』＠渋谷HUMAXシネマ　848

 

 

【MOVIEｰ23】『アダプテーション』＠シネマヴェーラ　705

 

【MOVIEｰ24】『TIME』＠TOHOシネマズ渋谷　532

 

 

【MOVIEｰ25】『ヒューゴの不思議な発明』＠TOHOシネマズ六本木　221

 

 

【MOVIEｰ26】『リトアニアへの旅の追憶』＠シネマヴェーラ渋谷　000

 

【MOVIEｰ27】『トラフィック』＠シネマヴェーラ渋谷　702

 

【MOVIEｰ28】『戦火の馬』＠TOHOシネマズ渋谷　688

 

 

【MOVIEｰ29】『アリラン』＠シアターイメージフォーラム　703

 

 

【MOVIEｰ30】『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』＠TOHOシネマズ六本木　⑥

 

 

【MOVIEｰ31】『SHAME -シェイム-』＠シネクイント　⑥

 

 

【MOVIEｰ32】『マルホランド・ドライブ』＠シネマヴェーラ　⑧

 

 

途中から1000点満点をやめて10点満点に戻しました･･･。

1000点満点は後で検索しにくい、というのが大きな理由です。

 

 

特筆すべきは、シネマヴェーラで今やっている特集＜アメリカン・インディペンデント魂！＞です。『マルホランド・ドライブ』や『アダプテーション』のような王道インディペンデントから、『シド・アンド・ナンシー』まで、小気味よいランナップです。3/16までやっているので足を運びましょう。

 

 

ここ1ヶ月で8本鑑賞と急激にペースは落ちているのですが、今年は量ではなく質で勝負と割り切っています。

 

そのためか最近の8本はどれも素晴らしい!!!!!!!!!!!!!!!

中でも今年ベスト級の作品に2本も遭遇してしまいました。

いつもの通り、1000点満点です。

 

【MOVIEｰ10】『ドラゴン・タトゥーの女』＠新宿バルト9　812

 

【MOVIEｰ9】『ペントハウス』＠TOHOシネマズ渋谷　654

 

【MOVIEｰ8】『Jエドガー』＠TOHOシネマズ六本木　899

 

【MOVIEｰ7】『陽炎座』＠ユーロスペース　476

 

【MOVIE6】『アニマル・キングダム』＠新宿武蔵野館　952

 

【MOVIE5】『哀しき獣』＠シネマート新宿　989

 

【MOVIE4】『月光ノ仮面』＠シアターN　542

 

【MOVIE3】『果てなき路』＠シアター・イメージフォーラム　743

 

他の作品も悪くはないのですが

『アニマル・キングダム』と『哀しき獣』が飛び抜けています。

 

『アニマル・キングダム』はオーストラリアのクライム・ムービーで、2010年にタランティーノが年間ベスト3に選出していたことで話題になっていましたが、ようやく2012年に日本公開となりました。

ぶっ飛びます。

 

 

『哀しき獣』は説明するのも野暮だとは思うのですが、デビュー作『チェイサー』ですべての観客を唸らせたナ・ホンジン監督の第2作品目です。『チェイサー』と同じく、逃げるシーンも素晴らしいんですが、「世界」が広がっています。これもぶっ飛ぶこと間違いないです。

 

 

偶然なのですが、この二本を同日にハシゴするという映画的には奇跡的な一日になってしまい、「もう今年はこれ以上の映画はないだろう」と確信しつつも、それを超えて欲しい、と映画館に足を運ぶことになるでしょう。

 

『アニマル・キングダム』と『哀しき獣』、観ないんだったら、なんで生きているんでしょうか。というのは比喩ではなくオススメです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

ああ、まさか『果てなき路』と『Jエドガー』を無視しなくてはならないとは。