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『ヒッチハイカー』@シネマヴェーラ渋谷

 

 

71分の小作品です。

 

説明文を引用。<1950年に起こった事件を、女優でもあるアイダ・ルピノが映画化。初のフィルム・ノワールとされる作品。メキシコに向かう2人の男が拾ったヒッチハイカーは逃亡中の殺人鬼で、2人にリボルバーを突き付け…。不幸な生い立ちと閉じない右目という身体障害のせいで犯罪に走ったと自己正当化する殺人鬼・マイヤーズの強烈なキャラクターが際立つ>

 

今でこそノワール作品は多いですが、その先駆けとも言うべきスリリングさは時代感含め貴重だと思います。

 

殺人鬼のキャラ設定も秀逸。右目が閉じない設定で「2人の男を24時間、銃を突きつけながら誘拐する」というエンドレス緊張感が続きます。

 

24時間ずっと銃を突きつけるため、寝ている間も銃を突きつけているのが恐ろしい。殺人鬼は右目が閉じないため、寝ている間も右目が開いていることに!!!!!!!!!!!!!! そこで、「俺はお前らをずっと見張るぞ。寝ているようにみえるけど、見てるぞ」と言い残して寝るのです。寝ないわけにはいかない殺人鬼の切なさ!!!!!!!!!!!!!!!

 

ここに「右目を開けて寝ながら、銃を突きつけ見張る」という、設定だけ見れば笑えるショットが誕生します。素晴らしいですね。

 

作品中、ほとんどのシーンで銃を突きつけているので「ヒッチハイカー」ではなく、「銃突きつけマン」という邦題はどうかな、などという蛇足をつけくわえてしまうほど印象は強く、痺れました。