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前回書いたように、『キッズ・オールライト』の期待値が低かったせいもあり、幸せな2時間を過ごせました。

 

>「期待感」と、作品と我々の「距離感」が密接に関係している

 

これは期待感が強ければ強いほど、劇場において映画との距離感が縮まるんだと思います。近すぎる視点で観ると、どうしても盲目になりがちです。かといって客観的に観すぎても響くはずもありません。

 

ここも作品以前の話なので、また微妙なニュアンスになってしまうのですが、「客観的に個人的に観る」という状態が理想なのではないのでしょうか。そうするためには、前情報をシャットアウトするしかないのです。そして、劇場で前のめりできるだけ前のめる。これに尽きるでしょう。

 

ようやく『キッズ・オールライト』の話ができるんですが、決して「新しい家族のカタチ」を安易に提示しないエンディングに感銘を受けました。

 

むしろ「新しい家族ってそんなのは存在せず、あなたの家族しかあなたの世界には存在しないんだからね」と優しく囁きかけてくれる、そんなポジティブだけに留まらないメッセージに好感を持ちました。

 

タイトルも『ファミリー・オールライト』ではなく『キッズ・オールライト』。あくまでも、子ども目線なのです。この目差しがこの映画全体を支えています。傑作です。