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2011.07.17 UP

『ムカデ人間』

『ムカデ人間』@シネクイント

 

 

 

 

こんな映画です。

 

>ドイツ郊外の人里離れた屋敷を舞台に、数人の人間の口と肛門をつなぎ合わせた「ムカデ人間」の創造に心血を注­ぐマッド・サイエンティストと、彼の犠牲になった人間たちの恐怖を描く。

 

ホラーとコメディが紙一重、という作品は多いですが。今作もその例に漏れません。

 

シチュエーションが完全にコントなので(もちろん全編ホラータッチ。それがフリにもなっていると考えれば、コントの王道かもしれません)笑い所がしっかりとしているのが好印象です。

 

ある重要なシーンで、日本人ヤクザ演じる北村昭博が叫んだ一言により、ホラー映画とはいえ、劇場は爆笑に包まれていました。健全です。

 

「恐ろしさ」が「笑い」に変わって、最終的には「喜び」になっていました。

 

(最近、たまたま読んだのですが)スピノザは「喜び」をこう理解しています。

 

「喜びとは、精神がより大きな完全性へ移行するような精神の受動」である、と。

 

今作の主役であるマッドサイエンティストも「ムカデ人間」という完全性を求めます。喜びのために。

 

ホラーとコメディ、2つ合わせた完全性へ、少しでも向かっていこうとする意志を強く評価します。