2011.08.11 UP
『スーパー!』
『スーパー!』@シアターN渋谷
あらすじだけ聞くと『キック・アス』と似た作品ですが、目指すところは全く違います。
普通の人である主人公がヒーローになりきる。そして、悪と戦う。
これが『キック・アス』と『スーパー!』の共通した設定です。
前者のヒーローはファンタジー追求型、後者のヒーローはリアリティー追求型、とひとまずは仮定できると思います。
象徴的なのは、主人公とヒロインの関係性です。
『キック・アス』では、高校生と11歳の少女。
『スーパー!』では、中年の親父と20代前半の女性。
<以下、ネタばれ注意>
『スーパー!』では2人は寝ます。
この関係性において、この物語が目指すリアルがはっきりとします。
エレン・ペイジは無残な姿であっけなく死亡します。
そう、メタヒーローモノとしてのファンタジーに回収しないという一点において、この作品はリアリティーを観る者に強います。
リアリティーを獲得するにはこうも迂回しなくてはならないのか、と途方にも暮れました。
ラストも素晴らしい。観るべきです。