2011.04.02 UP
『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』
『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』@渋谷シネクイント
4/1、公開前日の先行レイトショーに行ってきました。
初めて神聖かまってちゃんを知ったのは、コレでした。
SUMMER SONIC’09の「出れんの!? サマソニ!?」枠に出場し、1曲しか披露しなかったあのLIVEを観て、そこからはずっと聞いていました。
そして、彼らのLIVEまでを群像劇で送るフィクションが本作品です。
物語は通俗的な3つの視点で進んでいきます。
・シングルマザーとその子ども
・恋愛に悩みつつも夢を追う女子高生
・カリスマバンドのマネージャー
この通俗的な登場人物の横に、さらに通俗的な登場人物がいます。
・女子高生の彼氏と、その浮気相手
びっくりしたのは、神聖かまってちゃんのLIVEに足を運ぶのは(マネージャーを除き)物語上最高の通俗性を持つ、この2人だけなのです。
他の登場人物は、ニコニコ動画のLIVE映像をPCやスマートフォンで鑑賞します。
女子高生にいたっては、音楽すら聞きません。
これはとてつもない皮肉を感じました。
つまり、「本当の意味で生きている人間」はLIVEなんて行ってる場合じゃないということです。
誤読を恐れずに続けます。
「LIVE会場に来て盛り上がっているやつらはクソだ」
そんな恐ろしい視点を感じたのです。
もちろん、神聖かまってちゃんを通じて、登場人物たちは成長したり、より悩んだり、より世界の混沌さを理解していきます。
ただし、LIVEには足を運ばない。
これは映画を観ている我々にもド直球で投げかけられる問題です。
「映画館を出てから、何をやるべきか、あなたたち分かってるよね?」と。
映画館を出てから、こんなにも緊張感が続くのはとてもとても久しぶりです。
2011.04.01 UP
『塔の上のラプンツェル』
はじめまして。放送作家の林と申します。
まずこのブログの趣旨を簡単に説明しておきます。
去年2010年、何を血迷ったのか「劇場で365本映画を観る」という枷を自分に課しました。
その結果、惜しくも目標には20本届かず、345本観ました。
1本を2時間だと仮定すると、2時間×345本=690時間。
日数に換算すると約29日もの間、劇場の椅子に座っていただわけです。
約1ヶ月を丸々、映画館で過ごすということは1年の1/12ですから
「映画とは人生とほぼ同じだ」と断言したい誘惑にもかられました。
今年2011年は365本を観るのは無理だと思います。
(去年、その目標のために様々なものを犠牲にしました)
しかし、去年感じた「映画は人生そのものだ」という感覚はまだ残っています。
その感覚を残したまま、今年はこのブログで映画鑑賞の記録をつけようと思います。
映画の専門的な勉強もしていなく、偉そうなことは書けませんが、ただ記録をつけます。
よろしくお願いします。
さて、4月1日の映画は『塔の上のラプンツェル』です。
ご存じの通り、ディズニー長編アニメの記念すべき50作品目です。
僕は映画開始1分で、自分の目から涙が出ていることに気がつくまで、
この映画がアニメーションであることを忘れていました。
それくらいオープニングが素晴らしかったのです。
新宿ピカデリーで日本語吹き替え版で観たのですが、
アニメであることを忘れさせてくれる頭1分とは何だったのでしょうか?
語り部が状況設定を簡潔にナレーションで説明した後、主人公のラプンツェルが歌いながら踊ります。
塔の中に閉じ込められていてはいるが、私は楽しい、と。
人生は素晴らしい、と。塔の中は最高じゃないか、と。
もちろん、後から分析をすれば「塔の中」というのは「我々が住んでいる世界」と同義であることはすぐに分かります。
世界という不自由な場所に閉じ込められている我々は、ラプンツェルのように「人生は素晴らしい」と大声で歌いながら、ダンスできるのでしょうか?
そんなちっぽけな感覚が、涙腺を刺激したのでしょう。
でも、その時は、そんなことを考えもせずに、ただアニメを観ていたのです。
しかも、物語は「素晴らしい塔の中」から脱出しようと動き出します。
「素晴らしい」のに、なぜ外に出ようとするのでしょうか。
それは「知らないこと」が外にあるからです。
ラプンツェルは外の世界を全く知りません。
もっと素晴らしい世界が待っているかもしれないし、恐ろしい世界があるかもしれません。
それはラプンツェルには分かりません。でも外に出るのです。
恐ろしいことに、物語はまだ1分しかたっていません。
僕もまた、この1分を体感するために、つまり、素晴らしい世界に住んではいるが、
まだ未知なるものを探すために、今後も映画館に通うつもりです。
正直に言うと、僕の学生時代はアニメを敬遠していました。
「ディズニーアニメなんて子ども向けのもの」という意識がなかったとは言いません。
でも、そんな偏見は捨て去って、観に行くべきです。
4月1発目からとてつもない映画を観てしまいました。
今年、これ以上の映画に出会えるか不安です・・・。